ヘッセの「少年の日の思い出」をドイツ語で読みたい

ドイツ語は分からないけど。『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな』

第4文目 »Seit ich Kinder habe«

»Seit ich Kinder habe«

 

今日はもう遅いので簡単にやります。

 

発音の勉強

ザイト イッヒ キンダー ハーベ

 

意味

「子供ができてから」

 

文法の勉強

»と«は引用符、日本語でいう「 」に相当するらしい。

seit 「以来」 (英)since

Kinder 「子ども」Kindの複数形

habe 「持っている」(英)have

今日はとてもわかりやすい。

英語でいうところのSince I have kids…だろう。ただ、なぜich habe Kinderなのかがわからない。

 

 

今日は寝る前にhabeの変化を覚えることにしよう。「原形」はhabenらしい。

 haben

現在形(単数)

現在形(複数)

過去形(単数)

過去形(複数)

1人称

ich habe

wir haben

ich hatte

wir hatten

2人称

du hast

ihr habt

du hattest

ihr hieltet

3人称

er hat

sie haben

er hatte

sie hatten

 

1人称は複数形になるときe→enになっていることに気づいた。他の動詞もだいたいそういう傾向にあるようだ。

 

あーあ、明日からまた仕事だ。面倒だなあ。

第3文目 Wir sprachen...

Wir sprachen, da eben mein kleiner Sohn uns gute Nacht gesagt hatte, von Kindern und von Kindererinnerrungen.

 

発音の勉強

例によってGoogle先生に読み上げてもらったものを書き出してみた。

ヴィア シュプラーヘン、 ダ イーベン マイン クライナー ゾォン グーテ ナフト グザークト ハッテ、 フォン キンダン ウント フォン キンダエリンネアルンゲン

 

文法の勉強

Google先生の訳「私の幼い息子がおやすみなさいと言ったように、子供たちと子供たちの思い出について話しました」

教科書「ちょうど、わたしの末の男の子が、おやすみを言ったところだったので、わたしたちは、子供や幼い日の思い出について話し合った。」

 

wir 「私たち」

sprachen 「しゃべる」「話す」 辞書にはsprechenが載っていた。

うむ、翻訳を見る限り過去形だ。辞書に載っているsprechenが原型でsprachenは過去形らしいぞ。

 

ところで私の手元にあるクラウン独和辞典には巻末に「動詞の活用表」がついている。sprechen→sprachenという変化が正しいことを確認するためにはじめて活用表をのぞいてみた。 

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動詞の活用法

なるほど現在形の場合はichのあとは必ずsprecheで、wirのあとは必ずsprechenなのか

過去形の場合はichのあとは必ずspracheで、wirのあとは必ずsprachenと。

面倒な感じだが現在形から過去形へはeがaになるだけのようだ。

英語だと-edをつけるだけだったが、ドイツ語はそう簡単ではなさそうだ。まあ、英語にも不規則変化動詞なるものがあるし、少しは覚悟していたけれど。

 

どうやら今後は、

wir sprachen 「私たちは話した」← wir sprechen「私たちは話す」

のように覚えた方がよいらしい。

 

da そこに

eben ちょうど今 《英》just

mein 私の 《英》my

kleiner この語句は辞書に載っていないが、意味を考えるとklein「幼い」が変化したのだろう。教科書では「末の男の子」と訳されているということは、英語の比較級か最上級みたいなものだろうか。あとで調べることにする。

Sohn 息子

uns 私たちに 《英》us

gute Nacht おやすみなさい

gesagt sagen「言う」の“過去分詞形“らしい。このレベルを理解するにはかなり時間がかかりそうだなあ。

hatte これも辞書に載っていない。検索するとこのページを発見。

「hātanの直説法現在第1人称単数形」、「hātanの直説法現在第3人称単数形」

なるほどねぇ・・・ってわかるかボケェ!直説法?第1人称?こりゃあかなり大変だ。

Kindern  KinderはKind「子ども」の複数形。

von 「~から」「~について」

Kindererinnerrungen → Kinder(こどもたち)+Erinnerrungen(回顧録)=「幼い日の思い出」

 

ここで注目したいのは、“ da eben mein kleiner Sohn uns gute Nacht gesagt hatte“がカンマで囲まれた挿入句になっていること。これを隠すと、Wir sprachen von Kindern und von Kindererinnerrungen.となる。

vonには「~から(from)」と「~について(about)」の意味が辞書の載っていたので、sprachen vonを「~について話す」と訳すことができるぞ!

 

まとめ

Wir sprachen 私たちは話した, [挿入句], von Kindern 子どもについて und そして von Kindererinnerrungen 幼い日の思い出について.

[挿入句]daそこで ebenちょうど mein kleiner Sohn私の一番幼い息子 uns私たちに gute Nachtおやすみなさい gesagt hatte (???)

第2文目 Vor den Fenstern lag weit hinaus der bleiche See

Vor den Fenstern lag weit hinaus der bleiche See, scharf vom hügeligen Ufer gesäumt.

 

発音の勉強

Google翻訳にぶち込んで発音を聞いてみた。

[フォア デン フェンステルン ラグ ヴァイト ヒノイス デア ブライヒェ ゼー

シャルフ フォン フーゲリゲン ウフェール ゲゾイムト]

 

単語・文法の勉強

Google先生「窓をはるかに超えて、薄い湖があり、丘の岸に鋭く縁取られています。」

教科書「窓の外に色あせた湖が、丘の多い岸に鋭く縁どられ、遠いところまで広がっていた。」(※表現を変えています)

 

単語はやはり、辞書で調べるのが手っ取り早い。

Vor 「~の前に」

Fenstern 辞書には最後のnがないFensterが載っている。「窓」

lag これはなんだろう。よくわからない。

weit 「広い」「広々とした」

hinaus 英語のoutらしい。これは勘だけれども、weit hinausで(「外側に向かって大きく広がる」とかそういう意味じゃないだろうか。

bleiche 「青白い、蒼白な」 辞書にはこの単語の次に名詞のBleiche「漂白剤」が出ている。漂白剤のことをブリーチというが、こんなところでよく知ったことばとの関係性を見つけてちょっと感動。ドイツ語での発音は「ブライヒ」!

See 「海」「湖」 英語ではsea, lakeと区別されるのにドイツ語は一緒なのかな。ここでのSの発音は/z/だから、スィーではなくズィーと読む。

scharf 「鋭い」英語のSharpに似ていますね。

vom 辞書によると、

vom [フォン] 《前置詞vonと定冠詞demの融合型》→von, der[冠]◆.

出たよ、融合型。でも辞書では、vomの下に前置詞vonの見出しが出ていた。なるほど、意味は“from“らしい。定冠詞は英語のtheだから、from the~という意味だな。

hügeligen  Hügel[ヒュ~ゲル]は「丘、小山」という意味らしい。その次の見出しはhügeligで、「丘の多い」という形容詞のようだ。enが何を意味しているのか、まだわからない。

Ufer 岸、岸辺

gesäumt 辞書の見出しには出てこない。Google翻訳では「並びます」と出てきた。

 

まとめ

Vor の前に den Fenstern lag weit 広々と hinaus外側へ der bleiche See 青白い湖, scharf 鋭い vom ~から hügeligen 丘の多い Ufer 岸辺 gesäumt 並んでいる(?).

第1文目 Mein Gast und Freund Heinrich Mohr...

Amazonで注文したドイツ語の原著が手元に届いたので、さっそく勉強しました。

 

Das Nachtpfauenauge

題名です。ダス!!っていうのが、ドイツ語って感じがしていいですね。

本場ドイツ人の発音を聞いてみました。便利なサイトがあるもんですね。

Nachtpfauenaugeは[ナフトファウエナウガ]と聞こえました。ファウの前にpの発音があるような無いような...。意味は、いうまでもなく「クジャクヤママユ」という蛾の名前です。

 

Mein Gast und Freund Heinrich Mohr war von seinem Abendspaziergang heimgekehrt und saß nun bei mir im Studierzimmer, noch beim letzten Tageslicht.

 

発音の勉強

まずはGoogle翻訳にぶちこんで発音を聞く。 

[マイン ガスト ウント フロインド ハインリッヒ モア ヴァー フォン ザイネム アーベンシュパッツィーアガング ハイムゲケーアト ウント サス ヌン バイ ミア イム シュトゥディアッツィマー ノッホ バイム レツウン ターゲスリヒト]

eiは[アイ]、euは[オイ]になるようだ。

wの発音は英語のvの発音か。なるほど、そういえば車のフォルクスヴァーゲンのヴァーゲンのつづりはWagenだ。

Nochは[ノッホ]。ちょっと特殊だけど、ichが[イッヒ]というのは知っているので、何とかついていけそうだ。

 

単語・文法の勉強

次にGoogle翻訳にぶちこんで意味を調べてみる。

Google先生「ゲストで友人のハインリッヒモールは、夕方の散歩から帰宅していたので、勉強の最中であっても、夜明けに座っていました。」

教科書「客は、夕方の散歩から戻ってきて、書斎で私のそばに座っていた。昼間の明るさは消えるところだった。」(※表現を変えています。)

どうやら教科書のは原著よりもかなりすっきり翻訳したらしい。または、ヘッセがシンプルなバージョンを発表して、それが日本語に翻訳されたのかもしれない。まあ、Google先生の翻訳は参考程度ということだ。

最低限の知識として、名詞の最初を大文字で書くというのは知っている。

Main「私の」

Gast 「客」

und 【英:and】 「~と」

Freund 「友人」

Heinrich Mohr ハインリッヒ・モーア。この名前は教科書になかった気がするが。

warとかvonとかseinemとか、小文字で始まるのは名詞ではないし、ドイツ語の複雑な文法変化を勉強しないとわからないと思うので、こういうのはあと回しにする。

 

Abendspaziergang なんかかっこいい。ボールペンをドイツ語で[クーゲルシュライバー]というカッコよさがある。発音は [アーベンシュパッツィーアガング]と聞こえる。ieは[イー]と発音するらしい。Abendは「夕方」、Spaziergangは「散歩」、つまり「夕方の散歩」。ドイツ語は熟語のように名詞をくっつけることができるらしい。Abend... そういえば「こんばんは」をGuten abent[グーテン アーベント]というんだっけ。

heimgekehrt これも名詞ではないのでよくわからない。heimは積水ハイムの「ハイム」だから「家」だな。gekehrtはよくわからない。Google翻訳先生によると「帰国」と出たが、「帰宅」のことではないか?動詞ならば「帰宅する」みたいな感じか。

 

undの次にsaßが来ている。「座る」をsetzenというらしいから、「帰宅して、座る」という訳ならば教科書と一致する。

ちょっとGoogle翻訳先生だけでは苦しくなってきたので、「クラウン独和辞典」を開いてみた。

nunは「今では」。つづりが英語のnowと似ている。

baiは「~のそばで」

mirは辞書に

mir [ミーア] [代] 《人称》 →ich

とある。ハッハ~ン。読めてきたぞ。ichは「私は」だから、I have … → by meのように人称代名詞が変わるんだな?

imは英語のin、つまり「~の中で」

Studierzimmer Zimmer[ツィマー]は「部屋」だから勉強する部屋、つまり書斎か。

そこまでわかると、後半は「夕方の散歩から戻ってきて、それから今では書斎で私のそばに座っている(それか「座っていた」)」という意味になるんだな。

 

さて、残りはnoch beim letzten Tageslicht.

nochは「まだ」、letztenは辞書になかったがletzteは「最後の」「最近の」、Tageslichtは「日光」「陽光」とある。

beimはなんだ?辞書によれば・・・

baim [バイム] 《前置詞beiと定冠詞demの融合型》→bei; der[冠]♦.

アーアー何にも聞こえませーん。融合型?何の?定冠詞?どんな?最後のひし形は何の意味があるの?こういうわからないのは放っておくのが一番です。「最後の日光」(=「夕日」)が「まだ」あった(=「消えかかっていた」)と言いたいのだろう。

 

まとめ

Mein 私の Gast und Freund 客であり友人である Heinrich Mohr ハインリッヒ・モーアはwar von seinem Abendspaziergang heimgekehrt 夕方の散歩から帰ってきて und saß nun bei mir im Studierzimmer そして書斎で私のそばに座っていた, noch beim letzten Tageslicht 最後の夕日がまだあった.

 

初日にしては上出来な文法解釈ではないでしょうか。コメント欄も勉強に活用するので、詳しい方、教えてくださいね。

「クジャクヤママユ」とは?

少年の日の思い出』(しょうねんのひのおもいで 原題:Jugendgedenken)は、ヘルマン・ヘッセ1931年に発表した短編小説日本では、同年に高橋健二翻訳出版された。

中学校1年生の国語教科書に掲載されていることで、日本での知名度は高い。

 (Wikipediaより)

 

中1で読んだでしょう?ヘルマン・ヘッセのですよ。5社中4社の教科書に掲載されているらしいですよ。今の教科書はどうですかね?

 

いつかドイツ語を勉強して原著で読みたいなと中二病らしいことを考えたわけですよ。ほかにもいません?それから15年以上の月日が経ちました。もう30歳も目前。それなのに、ドイツ語といえば、グーテンタークしかしゃべれません。仕事で使うわけでもないし、ドイツ人はほとんど英語が喋れると知ってからドイツ語を勉強する意欲がわかなかったわけです。でも、原著を読みたい。そんな欲望を昇華させるために、このブログをはじめました。