ヘッセの「少年の日の思い出」をドイツ語で読みたい

ドイツ語は分からないけど。『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな』

Day3 Gute Nacht(おやすみなさい)

Wir sprachen, da eben mein jüngster Sohn uns „Gute Nacht“ gesagt hatte, von Kindern und von Kindheitserinnerungen.

 
幼い日の思い出話を始めるきっかけを説明していますね。子供がベッドに行く時間帯ですから、夜8時や9時といったところでしょうか。ドイツ語は比較的語順が自由と言われているそうです。この文章を語順そのままに訳すと、
私たちは話した―私の末の男の子が私たちに「おやすみなさい」と言ったので―子供や幼い日の思い出について。
初版ではkleiner(幼い)だった表現がjüngster(最年少の)に変わっています。ヘルマン・ヘッセは「クジャクヤママユ」の初稿を書いた1911年、三男が誕生しています。後に改稿した際に、読者にどのような子供かを少しでもイメージさせるために具体化したのかもしれませんね。
 
 
発音
ヴィ シュプラーヘン、 ダ イーベン マイン ユングスター ゾォン ウンス "グーテ ナフト" グザークト ハッテ、フォン キンデルン ウント フォン キントハイツエアイナウンゲン
 
音声で聞いてみましょう。
 

★音声データ作成はFree TTSを利用させていただきました。https://freetts.com/

 
 
意味解釈

 

【独】①Wir sprachen, ②da ③eben ④mein jüngster Sohn ⑤uns ⑥„Gute Nacht“ ⑦gesagt hatte, ⑧von ⑨Kindern und von Kindheitserinnerungen.

【英】①We talked ⑧about ⑨children and childhood memories, ②because ④my youngest son ⑦had ③just ⑦said ⑥"good night" to ⑤us.

【日】④私の末っ子が ⑤私たちに ③ちょうど ⑥おやすみなさいと ⑦言った ②ので⑨子供や子供の頃の思い出 ⑧について ①私たちは話した

 
 
ポイント

Kindheitserinnerungen

ドイツ語らしい長い単語ですね。ドイツ語の名詞はいろいろな言葉を組み合わせて説明的に単語を作っていきます。この単語は、Kindheit(子供のころ)とErinnerung(記憶)を組み合わせた単語です。

前半はKindheits[キンドハイツ]と複数形になっているので、後半もErinnerungen[エアイナウンゲン]と複数形になっています。「r」の発音は難しいですね、猫がごろごろ喉を鳴らすような音だそうです。とりあえずカタカナ表記では[エアイナウンゲン]としています。